三部は、中村橋之助の名前では、最後の公演「土蜘」。お能からの題材で、何度か見ました演目で吉右衛門さんで見たときに、土蜘の精が花道に移動するときにシュシュシュと、まことの蜘蛛のように動いた感じがして感動して事を覚えています。橋之助さん土蜘は若々しい感じの土蜘でした。
「廓噂山名屋浦里」(さとのうわさやまなうらさと)。ブラタモリの番組でタモリが吉原で聞いた話を笑福亭鶴瓶に新作落語で語ってもらい。それがまた、新作歌舞伎に・・・という話題の芝居です。廓話で田舎者と花魁の話はいろいろありますが、これもまた楽し。田舎侍の生真面目な感じは勘九郎の人柄に重なるようにはまり役です、吉原№1花魁浦里が廓言葉から田舎言葉になって心情を吐露する場面は、七之助浦里が健気でよかったです。
田舎侍勘九郎が豪華な花魁道中を見送りながらの幕切れはまさに落語のサゲのような・・・お後がよろしいようで。狂言回し的な山名屋の友蔵役の駿河太郎はお父さん鶴瓶にそっくり・・・当たり前か・・・(